環境の取り組みを効率的かつ効果的に行うことを目的に、環境省が策定した「エコアクション21」、この言葉を耳にすることも多くなりました。四国では徳島県と高知県では各県約200件、香川県と愛媛県では各県約50件前後の事業者が登録されています。認証・登録された後、実際の現場ではどのように運用され、会社の事業に活かされているのでしょうか?今回は、徳島県内で建設業を営まれている株式会社井上組を訪問し、実践の現場を取材しました。
大正15年に創業された株式会社井上組、本社は徳島県つるぎ町にあり、「誠実と信頼」、「社員の幸福」、「たゆみなき前進」を社是に現在3代目の井上惣介氏が代表取締役に就任されています。若い世代の社長を中心に、経験を積んだ熟練社員と新しい時代を作る若手社員が、エコアクション21の実践を通し、共に学ばれているのがとても印象に残りました。
「具体的に」ということで、工事現場の見学をさせていただきました。まず、現場に到着して驚いたのは、とてもきれいに整頓がされていることはもちろんですが、目の届く範囲の動線に、「安全は愛」をはじめ、安全を呼び掛ける横断幕や現場の内容を分かりやすく掲示していることです。ゴミの分別も、ペットボトルはエコキャップとボトルに分別するなど徹底されています。現場には、工事に係る人だけでなく、地元の人も含め、さまざまな人が往来します。工事従事者だけでなく、他者への配慮は忘れません。急に近隣の方がお手洗いを使いたいと来られた時も気持ち良く使っていただけるよう、簡易トイレはきれいに清掃されています。
そんな現場を預かる社員は、建設現場では新鮮な若き20代の大西さん。「みなさんに褒めてもらえるのがうれしい。」と、整理整頓やトイレ清掃も徹底。近所の人や発注者がいつ来られても大丈夫なよう心がけているといいます。自分なりに「環境に配慮した建設現場」を考えて、近隣の生活環境に配慮した、騒音が出ないような重機運転の推進、エコドライブ、廃棄物の分別、建設資材の有効活用、使用する事務用品はグリーン商品にするなど、環境配慮に関する目標を作って、達成を目指しています。
上司の藤波さんは、「現場毎のエネルギー使用を管理することは、省エネと省コストに繋がる面白い取り組みだ。」と、社員の自発的なチャレンジを、応援しています。社員の能力発揮が会社の発展に結びつく、そんな社内の雰囲気が、皆さんのやる気に繋がっているのかもしれません。先輩社員はじめ、みんなでサポートしながら、エコアクションについてもとても熱心に取り組んで下さっている現状を確認できたことは、大きな収穫になりました。