中学校での持続可能な開発研究
投稿日時: 2015-02-28
ESD(持続可能な開発のための教育)が、四国各地で実践されている。徳島県阿南市の徳島県立富岡東中学校3年生の成果発表会に出席した。四国内の中学校での実践事例はそれほど多くない。総合的な学習の時間を使いどのような実践が行われたのかについて、取材した。
平成27年2月、今日は3年生全員が持続可能な開発をテーマに総合的な学習の時間を使って研究したテーマを発表する日だ。生徒は、阿南市のまちづくりや一次産業、ICT、少子高齢化、生物多様性などそれぞれのテーマについて事前調査を行い、現地調査や関係者へのヒアリングなどを通じて課題を抽出、課題解決につながる提言をまとめ、市や保護者、関係者に発表を行った。
先生から、生徒は通常の教科学習では見せないような興味と関心を持って取り組んだこと、プレゼンテーションの力もアップしたといった話を伺った。確かにその通り、各班の発表は、わずか数分にも拘わらず、限られた時間の中で役割分担をし、大人顔負けの分析と提案で、実に堂々と発表を行った。
発表姿勢もさることながら、その内容も本格的で驚いたのは言うまでもない。税金制度や新たな食育メニュー、観光ツアーの提案などすぐに実現できそものもいくつか見られた。その後、その発表に対し、市役所の担当者や保護者は簡潔に感想とコメントをするというやりとりを行った。
ESDを推進する別の学校関係者から、ESDを本気で行うとすごいことが起こるという話を聞いた。それがどういうことなのかを把握することは簡単ではないが、少なくともここでの取組を見て、生徒たちが教科を超えて自主的に学び、考え、何ができるかを発信する力をつけることによって、明るい未来を切り拓けるのではないかと感じた。