2005年、生態系や農林水産業、人間の健康に被害を与えるおそれのある外来種を規制する、「特定外来生物法」が施行され、各行政機関やNPO、研究者などが規制対象種に対してさまざまな防除対策を行っています。また昨年度、名古屋で開催された生物多様性条約COP10でも、外来種は生物多様性や生態系に与える影響の大きさから、重要な課題として議論されました。外来種が引き起こす問題として、生態系に及ぼす影響や遺伝子の攪乱、農林水産業などへの被害、感染症による人命への脅威などがあげられます。外来種は、単に生物多様性にもたらす影響だけでなく、人間社会に及ぼす影響も大きく、そのため、外来種に対する情報を社会全体で共有することは、地域の生物多様性を考えるうえで不可欠なことといえます。
本シンポジウムでは、第一部で本シンポジウムの趣旨説明と、徳島県における外来種の現状についてお話しします。第2部では、世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100、さらに特定外来生物にも指定されている「アルゼンチンアリ」に注目し、第一線の研究者からその生態系被害や人的被害についてお話いただきます。最後の総合討論では、外来種に関する基本的な知識、疑問や課題について会場全体で議論したいと考えています。
【日 時】
2011年12月3日 13時30分〜16時30分
【会 場】
徳島大学工業会館(徳島市南常三島町2−1,工学部内、駐車場あり)
【プログラム】
受付:12:30〜 *参加費無料
第一部
1.趣旨説明(13:30-13:50)
河口 洋一(徳島大学環境防災研究センター自然環境科学部門・准教授・専門
(河川生態学))
2.講演(13:50-14:30)
「徳島県における外来種の現状」 片山 博之(徳島県自然環境課)
休憩(14:30-14:45)
第二部
3.講演(14:45-15:35)
「アルゼンチンアリの脅威」
伊藤 文紀(香川大学農学部・教授・専門(昆虫生態学))
4.総合討論(15:35-16:30) 外来種に関する質問タイムもあります
進行:河口
パネリスト:講演者2名(片山博之、伊藤文紀)
徳島県立博物館から3名(佐藤陽一(脊椎動物担当)、山田量崇
(無脊椎動物担当)・小川 誠(植物担当))
*当日は、アルゼンチンアリの模型や標本、日本と世界各地のアリの標本、日本産アリの飼育コロニーを展示します。
【主催・共催】
徳島大学環境防災研究センター、徳島県自然環境課
【後 援】
生物多様性とくしま会議、NPO法人徳島保全生物学研究会