2月19日にESDフォーラムを高松市で開催しました。今回は、四国四県の温暖化防止活動推進センターの主催による「平成22年度学校CO2CO2削減コンテストin四国」と同日開催しました。温暖化防止活動推進に取り組むセンターや行政関係者にも、ESDについて理解を深めていただく機会となりました。
「平成22年度学校CO2CO2削減コンテストin四国」では、4県から2校ずつ選出された小・中・高校が活動を発表。子ども・生徒たちの学校生活の中で、節電や節水のアクションが定着し、数値的にもCO2排出が削減されている様子を、子どもたちや先生方によるしっかりと準備されたプレゼンテーションから知ることができました。香川大学経済学部教授の古川尚幸氏からは、電気や水の使用料を計測してしっかりと削減の効果を見える化することと、それらの取組みを家庭や地域の大人にも伝えることに、今後も期待する旨の講評をいただきました。
引き続き開催したESDフォーラムでは、最初にESD−J理事の竹内よし子氏より、「ESD=持続可能な開発のための教育」が必要と言われるようになった、先進国と途上国の経済格差や、地球温暖化の状況など、社会的・世界的な「持続可能でない」背景が説明されました。そして、持続可能な社会をつくる人づくりのために、ESDでどのような能力を育もうとしていて、どのような学びの方法が提唱されているのかについて、解説をいただきました。
続いてESD的な学びを具体的に知っていただく目的で、高知市で行われている「とさっ子タウン」の取組みの紹介を行いました。前回のイベント当日の様子を画像で説明した後、運営を担っている大学生や大人の実行委員会の様子を、同メンバーによる朗読劇によって、再現していただきました。劇中では「実行委員会に新たなメンバーが加わったとき、その人たちにこの取り組みの趣旨や思いをどのように伝えていくか」「食べ物などのゴミをどのようにすればよいか」について、実行委員会で様々な意見が出た様子が再現され、参加者もこれらの課題について、テーブルのメンバーで意見交換を行いました。さらに、実行委員会のメンバー一人ひとりから、運営していて気付いたこと・感じたことについて発表があり、「街の成り立ちの複雑さを実感した」「税金の大切さを知った」「子どもたちにわかりやすく伝えるために、税金のしくみなどを調べた」「できるかできないかよりも、やりたいかやりたくないかということと、やるかやらないかが重要」などが述べられました。そして、「10年後のとさっ子タウンがどのようになっているか。どんな街になって欲しいと思うか」について、テーブルで意見を出し合い、アンケートに記入していただきました。
講評では、丹下晴美先生から、とさっ子タウンと学校CO2CO2削減コンテストの発表を受け、「複雑なプロセスを時間をかけて体験する」「まちは子どもたちの意志で変えることができる」「問題は解決できるという自信を子どもたちが持つ」など、ESD的な学びの方法の大切さについて解説していただきました。
また、会場に四国のESD取組み事例のパネル展示を行い、高知県:NPO法人NPO高知市民会議・高知県環境カウンセラー協議会・NPO法人環境の杜こうち・NPO法人黒潮実感センター・黒潮生物研究所、愛媛県:松山ESD促進実行委員会・小野中ESD&新玉小学校、徳島県:正法寺川を考える会・環境首都とくしま創造センター(エコみらいとくしま)、香川県:善通寺こどもエコクラブ・JICA四国 による活動を紹介しました。
参加者によるアンケートでは、
・つなげるということが大事なことだと思いました
・体験から学べる次の活動がある
・「とさっ子タウン」の実行委員の立場で課題を検討してみることによって、普段の生活では考えることのない「見えていない課題」があることを意識しないといけないと感じました
・教育がESDの土台となっていることに気づくことができたので、活動のヒントになりました
などの感想や意見が出されました。