太陽と緑の会は、「人も物も活かされる社会の実現」を目指すNPO法人で、リサイクル活動、障がい者の自立支援、国内外の各分野で活動する個人や団体との連携・協力などに取り組んでいます。
NPO法人太陽と緑の会のホームページ http://www.t-midori.org/
■ 事業型の取り組み
今でも障がいを持った方の作業は内職が中心ということですが、1984年、3障害のメンバーたちが関われる作業の多様性を持つリユース・リサイクルの事業をスタートさせました。
徳島市内にある同会のリサイクル作業所では、衣料品や食器、本、自転車、日用品、資源ごみといった様々な物品の持ち込み対応や引き取りをしています。それらは手入れされた後にリユース商品として販売されたり選別してリサイクルされ、資源の有効利用を進めつつ収益を上げています。
(店内の様子)
■ 地域における資源収集拠点としての役割
物品以外に紙類や空き缶などの資源ごみも回収しているリサイクルショップはほとんどなく、リサイクル作業所は地域の資源収集拠点として機能しています。
無料引き取は年間1,500件、持ち込みを含めると年間で計1万件の利用者がいるということからも、地域に根付いた活動となっていることが分かります。また、徳島県内だけでなく県外の支援者から品物を持ち込まれることも多く、「現金買取できる物品を無料提供して頂ける方は当会への寄附と考えている」ということでした。
(事務所・作業所兼店舗の外観)
■ リユース・リサイクル事業に取り組んだきっかけや事業の方針
「藍」の生産地である徳島では「古着は売れない」と言われる時代でしたが、障がいがあったとしても、協力し合えば取り組める事業ということで、昭和59年からリユース・リサイクル活動を開始。「障がいがあっても出来ることがある。全部支援されていると自分の足で立てなくなる。自分でできることは自分で行い、出来ないところは助けてもらう。」という考えのもと、様々なハンディを持つ方に働く場や社会参加の場を提供し、個々の適性、力量に合わせて仕事を分担しながら事業が行なわれています。
■資源ごみの回収利益で、他団体を支援する理由
同会では資源ごみの回収に取り組んでいますが、資源ごみ回収については徳島市から5円/kgの補助金を受けることができます。そこで、その資金は国際協力やホームレスの支援活動などに取り組む他団体へ寄付するようにしており、18年間で累計1,134万円の寄付実績があるということです。
この寄付の意味については、「障がいがあるからと言って助けてもらってばかりではなく、少しは社会に貢献することで障がいを持つメンバーたちが自分たちの存在意義を認識し、活動が社会に役立っていると実感できる。自分の足で立って生きていける手助けとなっている。」ということでした。
■ 課題やその解決策
20年ほど前は、資源ゴミの価値も高く、それなりに収益を得られていましたが、現在は相場が低くあまり収益が見込まれないようです。また、自転車は海外製の安い自転車が販売されるようになり、リユース自転車の収益はかなり減っているとのこと。
時代によって社会ニーズや価値等が変化するという課題がありますが、太陽と緑の会は、間口を広く様々な事業を続けていくことによって全体としてニーズの変化に対応し、事業を長年継続することが出来たということでした。
(株) バンブーケミカル研究所は、地域に広がる竹害の問題を解決することを目指して設立された阿南工業高等専門学校発のベンチャー企業で、竹等を加工する機械 や、加工した竹を活用した製品の開発や販売をしているほか、技術コンサルタント事業や、小水力発電などにも取り組んでいます。
(株)バンブーケミカル研究所ホームページ http://www5.plala.or.jp/ananrotaryclab/bamboo/
■ 事業型の取り組み
竹の利活用促進を目指して、竹のパウダー化や繊維化・炭化等のための装置や、竹粉・竹繊維・竹炭を利用した商品の販売を行っています。
これらの装置や商品の開発・研究については、行政や繊維メーカーと連携しつつ、国や県の助成金を活用しながら取り組まれていますが、例えば竹粉作製装置については、利用者のニーズを考慮して完全自動化されており、手間がかからず安全性も高くなっている他、竹を削る際に大きな音が発生しないように設計されています。
(竹粉作製装置)
■ 課題解決のために、様々な組織とつながる
竹の問題を解決するには、小規模でも上流(竹の伐採)から下流(竹製品の販売)までが繋がり、竹が流通する仕組みを構築する必要があると考え、様々な組織とのつながりづくりや連携によって課題解決していくことを目指して取り組んでいるということです。