みなさんは、物を購入するとき、どのようなことに気を付けて購入されますか?巷には、さまざまなマークがあふれています。環境活動の推進にたずさわる人なら「エコマーク」や「グリーン購入法適合商品」などはよくご存知のことと思います。最近出てきたマークには、「エコレール」や「カーボンフットプリント」などもあります。目に見えない環境負荷低減の取り組み成果を、ロゴやマークでよりわかりやすく伝えようという動きは、より活発になってきているのではないかと思います。
そんな中、香川県高松市内に本社を置く、株式会社ミヤプロという印刷会社を取材しました。紙媒体への印刷は、IT化の流れを受けて、減少傾向にあると言います。また近年、ある印刷会社が使っていた溶剤が原因で引き起こした胆管癌の問題は、みなさんの記憶にも新しいことと思います。低下した業界イメージを払しょくし、消費者だけでなく社員含むステークホルダーや地域の特性を活かした、持続可能な取組をしなければ、業界全体の存続も危ないという危機感のもとで生まれたのが、全日本印刷工業組合連合会におけるCSRの取り組みです。株式会社ミヤプロは、この印刷業界におけるCSRの取り組みの制度設計から認証に至るまでを四国内で率先して行ってきた企業です。
取り組み項目の中には、コンプライアンスから経営の安定性、環境、品質、情報セキュリティから雇用・労働安全、社会貢献・地域志向に至るまで、さまざまな要素が含まれています。これらの取り組みをPDCAサイクルに基づき継続的に行い、かつ一定の水準に達した企業が印刷した印刷物にのみつけられるのが、印刷業界におけるスター認定マークです。
アウトプットとなるチラシや報告書は、グリーン購入法に基づきかつ植物由来のインクや古紙パルプの配合率が高いものであっても、その印刷物を作る会社が、法令違反や環境取組への関心が薄いなど、信頼が持てない企業であれば本も子もありません。社会全体が、ライフサイクルやバリューチェーンの隅々まで、法令を順守しモラルに反する取り組みを行っていないかを問う時代となりました。社会全体として生き残りや持続可能性を実現するために、企業としてどういう取り組みを行うのかが問われています。
最近は沢山のマークが出てきて大変だなと思う人もいたかもしれませんが、実は、商品につけられたマークに関心を持ち、納得のいくモノを購入する行動1つから、企業や社会のあり方に応えることができる時代になってきている。この記事を最後まで見られた方は、そのことにお気づきのことと思います。